2010年3月19日

夢の共演?

岸野央明 3月15日


私たちは日頃、自己の表現の幅を広げる為に様々なジャンルのショーを観劇している。その中でも、私たちの舞台に大きな影響を与えたシルクドソレイユという団体には特に思い入れが強く、毎年彼らのショーを見る為にラスベガスまで来ているほどだ。
町の中心部のあちらこちらに点在した、7つの専用劇場のなかに、TAOの原点ともいえるショーがあり、10年以上も続いているその人気のショーは、和太鼓の演奏を取り入れ、何度見ても感動させてくれる不思議なパワーを持っている。もう4回は見たが毎回進化していて、一度も同じだった事が無い。そして必ず前回よりも良かったと思わせてくれる。一風堂の河原社長が言っていた、変わらない為に変わり続けるという言葉の意味と共に、その重要性を深く理解することが出来た。


 アメリカツアー中の休みを利用して実現した今回のラスベガス研修、なんと私はこのショーに出演させてもらった。出演というのは少し大げさかもしれないが、あのシルクのステージに立ち、世界トップレベルのパフォーマーとコラボレーションをし、大歓声を浴びた…… 。
まぁこんな風に言うと、え!? TAOとシルクが本当に共演したのかしら?と思われるかもしれないが、実はそうではない。シルクのステージではよくお客さんをステージに上げ、ひとつのシーンを作る。いわゆる客いじりと呼ばれるものだ。今回私はその標的となった訳だ。最前列の真ん中に座っていたぐらいだから、何かあるかもと多少期待と覚悟はしていたが、まさか本当にくるとは!完璧に意表をつかれた。背後を襲われたような感じではあったが、せっかくのご指名だ。年間に何百というステージを踏んでいる舞台人の端くれとして、彼らの望むド素人のようなサマを精一杯演じてやろうじゃないか!そう気合いをいれステージに上がったのだが、それはまさに余計な心配であった。私は太鼓がなければ、ただのさわやかなお兄さんである。目線や足下が定まらず、誰が見ても挙動不審なその姿は、はっきり言ってド素人以下であった。正直言ってソロの演奏をするよりも数倍の緊張感があった。結果彼らの思惑通りに事は進み、お客さんには喜んでもらえた訳だが、どうにもすっきりしない。


いつか本当に共演出来る機会があったら、この借りをしっかりと返そうと思う。

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2010年3月19日

『 LE REVE 』を観て ? in Las Vegas ?

佐藤 和哉


『あなたは、目を開けたまま、夢を見る』

かつて、世界最高峰のエンターテイメント集団『シルク・ドゥ・ソレイユ』において最高傑作と謳われる作品『O』を創った天才プロデューサー、フランコ・ドラゴンが、シルク退団後、独自に創作したショー、『ル・レーヴ』。
その謳い文句がこれである。


 本当に夢を見ているようだった。できることなら、自分が目にした内容を文字にしてここに書き表していきたいのだが、あんなに美しすぎる夢を文字に移し替える術を悔しいが僕は知らない。
 ただ言えることは、あの夢は確かに人の手で造られたものであり、あの夢に出てきた人々は僕らと同じ生身の人間だったという信じられない事実だけだ。それほどにあのショーは現実からかけ離れた幻想的な美しさを目の前に繰り広げてくれた。
 僕も舞台に立つ側の人間として、学ぶつもりでこの『ル・レーヴ』観劇に参加させてもらったのだが、そんな冷静な観点で観ていたのは最初の数分だけであったような気がする。気がつけばいつのまにか、完全にショーに見入ってしまっていた。照明がどうだとか、舞台装置がどうだとか、パフォーマーの技術がどうだとか、もう観察なんてしてられなかったのだろう。ただただ、目の前に繰り広げられる水と光と音楽と人が織りなす芸術ともいえる美しい世界に巻き込まれて、感動のあまり自分の肌が電流を流されるように泡立っていく感覚だけが、自分で自分を認識できる瞬間・・・そんな感覚だった。


 ショーの最後で、その夢の人々がはじめて現実の人間の顔になって、湧きあがる拍手に応えた時、ようやく現実に引き戻され、半ばあわてて演者の体を観察する。厭味のない美しい筋肉、自然すぎる筋の通った立ち姿と、実力に裏付けされた表情は、ちょっとやそっとでは手に入らないレベルのものであることは容易に想像がつく代物だった。そして、今でこそ僕らと同じ人間だが、ついさっきまでこの人たちは別世界の生き物だった。プロデューサーが言う「役になりきる」ということがどれほど深い意味を持っているのかを、恥ずかしながら初めて理解したように思える。


 そして、本当に驚くべきは、僕は『ル・レーヴ』を観るのは3回目だということだ。別に3回観たことを自慢しているわけではない。同じショーを3回も観ているというのに、初めて観たときよりも遥かに感動が大きかったということが驚きなのである。それは、一緒に観たメンバーやプロデューサーまでもが口をそろえて言うから間違いない。このショーは、確実に進化し続けている。そして、その進化には、きっと“完成”はない。フランコ・ドラゴンはシルクで『O』を創った時に、「私にはこれ以上のショーを創ることはできない」と言って退団したそうだが、きっとそれは嘘だ。彼の作品は、人間の想像力の果てしなさをまざまざと表現し続けているように思えてならない。僕のような若造がこんなことを言うのは非常に気が引ける気もするが、逆に言うと、僕のような若造にさえ、これほど鮮明に鮮烈な夢と可能性を見せてくれているのだ。

 自分は今、どのあたりにいるのだろう・・・TAOの門を叩いて、間もなく5年が過ぎようとしている。毎回、自分の演技をビデオで確認すれば、洗練すべき点がいくらでも見てとれる。そして、僕らのプロデューサーが目指しているレベルは、まさしくこのレベルだ。もっと加速したい。自分の技術を、センスを、努力を、心を。まだまだ先は長いが、先が長いことなんて考えず、今日この日に、出来る限りのことを真剣にやる。そんな真剣な日々を積み重ねていけば、結果がついてくる。


『工夫と継続に、才能は宿る』を信じる。


そして、そんな毎日を積み重ねて、TAOがこの『ル・レーヴ』に匹敵する舞台が出来るようになったとき、自分もその一員として、無上の感動に震える観客の拍手を浴びたいと思っている。


最後に、こんな素晴らしい機会をくださり、カジノでは僕の背中を力強く叩いて“勝ち”に導いて下さったプロデューサー。妥当な表現が見つからず、月並みな言葉になりますが・・・


ありがとうございます!!

2010年3月19日

現実にある夢の世界

滝 良平


「アメリカーツアーの休暇に思いきり楽しめや!」と、プロデューサーの粋な計らいで訪れたラスベガス。

自身5度目となるが、そんな回数なんて今回も関係なかった。
一週間すべての日に新しい刺激があり、毎回絶対に期待を裏切らない深い感動に昼夜問わず気分が高揚しっぱなしであった。
ラスベガスこそまさに夢の世界。大げさな表現かもしれないけど、軽く現実離れしているから本当に同じ世の中にいるってことが信じられなくなる。
だって街にはピラミッドがあって、自由の女神があって、エッフェル塔があって、凱旋門があって、炎が出る小火山があって、ローマの宮殿があって、砂漠地帯なのに水の都ベネチアがあって、何十メートルも上がる噴水ショーが行われているのだから。
行った事がない人は何言ってんの?って思うかもしれないけれど、これすべて本当の話。僕も初めて来た時は嘘ではなくまばたきするのを忘れるくらい目が開きっぱなしの状態だった。

そんな夢の世界ラスベガスは僕にとって初心に帰ることができる大切な場所でもある。
それは20才の時、初めての海外研修で訪れエンターテイメントの真髄を教えてもらった思い出深い場所であるからだ。
話では聞いていたけど、想像すらできなかったラスベガスのエンターテイメント。
そして実際に行き、本物を目の前にして感じた時の感動は自分の許容範囲を何百倍も超えていた。
その研修ではこれこそが最高のエンターテイメント!これこそが自分の目指す場所なんだ!と心に深く刻み込まれたのと同時にTAOの表現したい舞台、プロデューサーが作りたい舞台を明確に理解でき、本当の意味でTAOの一員になった気がした。
初めて訪れてから7年。訪れるたびに変化してゆく街並とエンターテイメントには関心というよりむしろ尊敬の気持ちを抱く。
今回僕は5つのショーを見たが、その中でも一際心を奪われた作品「Le Reve」
は僕の見たエンターテイメントの中でダントツトップにランクインされた。
多分他のメンバーも同じ事を書いていると思うが、「Le Reve」を見たら他のショーについて書こうなんてこれっぽっちも思うことができない。
照明、音楽、演技。この全てがお互いになんの干渉もせず三位一体となった完璧な演出。開演から終演まで俗世とはまったく違う異空間の世界。見終わったあとすぐには席を立つ事が出来ない深い感動。単純に人間てすごいじゃんと思った。
元々は一人の人間の頭の中にあったイマジネーションの世界。スケッチブックか何かに書き綴っていったものが大きく膨らみ、様々な人達の努力の末、多くの観衆の心を揺るがす極上のエンターテイメントとなる。
よく考えたら実におもしろい。最初はちっぽけだったある発想が今ではとてつもないほどの大喝采に変わっているのだから。
その人がどんな環境で発想したのかわからないけれど、きっと究極のロマンチストなのだと思う。

僕たちは日本人にしか出来ない、日本人が作る最高のエンターテイメントを造りたい。同じ人間、やってやれないことはない。
目指すものがあるのだから、あとはそこに向かって真っすぐ走ればいいだけのこと。


アメリカツアーも残すところ後1ヶ月。これから出会っていくTAOの観客にも僕たちがラスべガスで感じた感動と同じような思いをしてもらいたい。
生きていて良かった、TAOの舞台に出会えて良かったと思ってもらえることが、
舞台を作りそこに立つ人間にとっては最高の喜びだ。
そしてこれを書いている1時間後、日本から来てくれているプロデューサーと昨日の公演のダメだしと5月からの新作舞台についてのミーティングが予定されている。
どんな話になるのか・・・。そしてこれからどんな舞台に成長していくのか・・・。
演者である自分が一番楽しみで仕方がない。


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2010年3月19日

世界最高峰のエンターテイメントショーに出逢えて

2010.3.15 原口 純一


北米ツアーも半分を終え、今僕たちは、1週間の休暇を過ごしている。

今回の休暇は社長のみんなへの計らいで、ラスベガス1週間研修に連れて行って頂きました。
初のラスベガス。見るものすべてが新鮮で斬新で、何回驚いたことだろう…口は開きっぱなしで、上ばかり見て歩いていたような…きっと何回来ようと毎回こうなるのだろう…とか考えたり。

ほんとに華やかなでにぎやかな街で、大通りを歩いていると、いきなり50メートルは打ち上げられたであろう噴水ショーがあったり、NYやベネチアンをモチーフにしたホテルが立ち並んだりと。ほんとに夢のような街。


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エンターテイメントの聖地アメリカ。その中でも街の至る所でエンターテイメントショーが行われている街、ラスベガス。そんなところで1週間研修。社長に本当に感謝。

そんなラスベガスの数あるショーの中で、TAOが目指すエンターテイメント団体がある。
それがシルク・ドゥ・ソレイユ。日本でも、ドラリオンやキダム、コルテオなどいくつかの作品がやっていますが、そんなシルクの専用劇場がラスベガスにはいくつもあるんです。もちろん日本にはやってきていない作品ばかりなのですが….
そして今回初めて本場でシルクのショーを生で見てきました。

圧巻。
終始身ぶるいがして、鳥肌が止まらず。アクトの演技、音楽、テクニカル、曲間の繋ぎ、舞台装置、転換。すべてにおいて世界最高峰のエンターテイメント。
一番最後列からでしたが、そこからでも演者1人1人から感じるオーラや感情がひしひしと伝わり、何もかもが素晴らしく、なんとも言えない感情に浸っていた。これがエンターテイメントの真髄なのだと。

終演後社長が、17年前シルクの作品を見なかったら今のTAO は無かったと。
その一言の意味がよくわかる気がした。確かに人の人生を変える程の力があると…
人に大きな影響を与えることが出来る。
僕等TAOにもその大きな力がきっとあるはず。今回の研修で今の自分がどれだけ低い位置に居るかが身にしみて感じた。まだまだ足元にも及ばない。でも同じエンターテイメントのステージ、というフィールドに立っている以上、その場所を目指し続けようと思う。

演者1人1人が常に高いモチベーションを持ち、毎日最高のショーをお客さんに届ける。
当たり前のことだが、最も難しいこと。それが出来てこそ、ステージに立つことが出来るプロなのだと改めて思った。あれほどまでに素晴らしいショーに出逢えたからこそ、今まで自分の中になかった感情に出逢えることが出来た。今の自分に足りないものが、はっきりと見えてきた。
どれだけの月日がかかるかは分からないけれど、足りないものを1つずつ身につけ、シルクに負けないエンターテイナーを目指し、今からの日々を過ごしていこうと思う。


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2010年3月19日

輝き続ける為に

黒柳 夏子


三年ぶりのラスベガスは、何だか今までよりもちょっと大人びていました。勿論きらびやかさや豪華さは、世界中のどの街よりも凄い!でも昔のミラーボールのようなギンギラ感が、シックなつや消しのシルバーの様に少しずつ変革しているように感じられました。新しく出来ているホテルの様式も、都会的でスタイリッシュと呼ぶのに相応しい直線と曲線の融合、オブジェなんかは派手さよりもより自然さを求めたナチュラルな物になっていました。壁の凹凸だけで水を抽象画の様に描くセンスは、歩き疲れていた体にオアシスを感じさせてくれてちょっと一休みしたくなりました。


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そんなラスベガスの変革の中で、やはり彼らも変わっていました。
いや、根本的には変わってはいないのかも知れません。でも本質を変えない為にはどれほどの努力と労力を注いでいるのか・・・変わらない事の難しさをここ何年かの海外ツアーで経験させてもらっているが故に、この事の凄さを改めて痛感しました、同じ人間なのに・・・。

三年ぶりに見た「Le・Reve」が格段に変化し素晴らしくなっていました。舞台裏が見れるモニター付きのVIPシートで観劇しなかった事が悔やまれるのですが、一番前のスプラッシュゾーンからの観劇もまた文句無しに良かったのです。演者一人一人の表情がしっかりと目に映り、人間力の高さをガツーンと突きつけられました。ありきたりの表現だけれども髪の毛一本まで神経が行き届き、ステージに立っている全ての人間が同じ気持ちでこのshowを楽しんでいるのがありありと伝わって来ました。そして内容は変わっていても、彼らの内からの輝きは変わっていなかった事にまた感動したのでした。
このshowのディレクターのフランコ・ドラゴン氏は、元々シルク・ドゥ・ソレイユの演出家だったのですが、彼の感性が段々とシルクと合わなくなり別の道を選択したのではないかと勝手に想像しています。最近のシルクのshowは、舞台装置や照明や音響は本当に素晴らしい!最新のテクノロジーがそこに集結しているし、技術者も最高の人材を集めているのだから、見る度に感激するしワクワクします。でも、やはり「Le・Reve」が一番感動するのです。

フランコ・ドラゴン氏の本を我がプロデューサーに見せてもらいましたが、無論英語なので解らない部分も・・しかし写真が沢山の言葉を発していました。裏方スタッフも含め総勢約500人の集合写真は皆が自信に溢れた顔で、大きく手を掲げて見に来てくれる人々に感謝を伝えている気持ちが写真からも伝わって来ました。「良い写真だ。」とつぶやく我がプロデューサー、本当に同じ気持ちで私もうんうんと二回頷いてしまいました。

人間力に培われたステージ、それが根本にあってこそ見る人は感動する。
あ、これって常に私達が我がプロデューサーに言われている事なんだなぁ・・・
本当に17年前から一貫した言葉をもらっているんだなぁ・・・と、実感。
フランコ氏が演出した20年間変わらない人気のシルクのshow「MYSTERE」が、今でも人気なのは大掛かりな装置だけにとらわれないひしめき合う演者達の力なんだ・・・
私達の舞台も17年目に突入し、今年の春のツアーには驚くようなシナリオと舞台が用意されているけれど、それにだけに甘んじている訳にはいきません。
演奏者自信が輝いてこそ全ての物語は進んで行くのですから。


これからも、いつまでも輝き続ける為に。


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2010年3月18日

完璧の裏側

本田篤芳


 世界最高峰と賞賛されるエンターテイメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」
TAOの原点とも言われるこのショーを観る為に毎年「ラスベガス研修」がある。

 一見、カジノしかないような大人の歓楽街に見えますが、立ち並ぶ高級ホテルの内部にシルク・ドゥ・ソレイユ専用劇場が備えられ、それぞれの公演が毎日のように各会場で行われています。今回は2度目の研修ということでただ感動して楽しむのではなく、TAOの新作舞台で新しい自分作りのヒントを得ることが僕の中で一つの目的でした。

数多くある作品の中で最も印象深かったのが「Le Rave」という作品。
劇場は円形状で舞台は水上になる、そこから巨大なステージが浮上すれば天井から死人や天使が舞い降りる、すると再び水上に巨大な木が姿を現し、更にストーリーが展開されていく。まるでここが水の神殿を思わせるかの様でした。
凄いのは舞台装置だけではなく、水中であろうが水しぶきが舞おうが演者たちの情熱的な演技は完璧そのもの。洗練された演技にはきっと厳しい訓練が裏付けされているに違いない、完璧の裏側には何かがあると思い、グッズコーナーにある写真集を閲覧するとそこには練習風景の写真がありました。ある暗い空間にライトアップされた演者が一人だけ演技を行い、周りのメンバーや演出家からダメ出しを受けている様子でした。一歩でも間違えば大事故に繋がる危険と隣り合わせの舞台に一人一人がどれほどの精神力を注いでいるのだろうか、

ヒントを掴むことを目的とした自分に対して、「Le Rave」のショーはそれ以前に大切なこと教えてくれました。心から感動させるということはそんな容易ではない、地道な稽古を重ねた者こそが得る本物がある。今の僕はプロとしての技術だけでなく、精神力さえ安っぽいものではないか、“本物への追求”は僕にとって今後の課題とも言えるでしょう。
いま行われているアメリカツアーはいよいよ後半戦に入り、これからはTAOにとって特に重要となる公演が始まります。
今日からまた新たな気持ちで本番に挑み、同時に新作舞台にも積極的に取り組んでいきたいと思います。

2010年3月18日

表現者の姿

西 亜里沙


ラスベガスと言えば思い浮かべるのはカジノでしょう・・・


決してそれだけではありません。
常に進化を続ける凄く魅力的な街なのです。

今回2年ぶりのラスベガスでしたが、街の変化に驚かされました。以前はヴェネツィアンやパリス等、それぞれの国を再現する様なホテルが多かったのですが、今回は奇抜なデザインのAriaというホテルが新しく建っていました。線というものを上手く組み合わせ、あり得ない建築物ができているのです。ロビーには氷の柱が立っており、時間が経つにつれ少しずつ静かに形を変えていく、そして自然の芸術作品が出来上がり、人々の目を癒す。たったの2年でこんな建物が現れるなんて・・・。街中がテーマパークの様なこのラスベガスはまさに芸術作品の集まる場所なのではないかと思います。

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そしてエンターテイメントの宝庫!私達は今回6つのShowを見ました。


中でも一番感動したのがWINラスベガスで行われている「LeReve」。

このShowはフランス語で「夢」という意味で、いろんな夢を人と水と照明で万華鏡の様に表現しています。とても綺麗でロマンチックで・・・何度見ても涙が出てきます。今回2回観る事が出来ました、1回目は最前列で、2回目は最上列のVIP席で・・・。
この劇場はステージが円形に作られ、その周りを客席が覆っていて、360°どこから観ても満足できる作りになっています。しかし、VIP席と言うだけあり、最上列に設けられたこの席は、照明の効果により自分以外の客席全てが舞台になっていて、私だけがこの世界をのぞいている様な不思議な感覚になりました。
本当にこの演者達は「人」なのだろうか?と目を疑う程のパフォーマンスが音楽と共に表情豊かに繰り広げられていきます。センターのステージが突然水の中へ沈んでしまい、水中で行われる演技では水中で酸素マスクを着用して演技を行ったり、更に酸素ボンベを背負ったスタッフ達が待機していたり、頭上高くからワイヤーに吊られた人がどんどん出て来たり。まさにタイミングとの勝負、演者もスタッフも命がけだと思います。この現実離れした想像もつかない様な世界を演出しているフランコドラゴンのイメージを実現化し、表現している彼等は本当に凄いと思います。

今回プロデューサーから発表された私達の新作舞台はとっても華やかで艶やかで力強く、流れる様なストーリーがあります。これを何処まで表現出来るのか、本格的な挑戦がいよいよスタートします。

未熟さを知るとともに大きな勇気をもらった今回の経験を最大限に活かして、新作舞台を作り上げて行きたいと思います。

2010年3月18日

世界で最も刺激的でエキサイティングな街

2010年3月16日 原崎太郎


今回の北米ツアー3カ月の中盤にぽっかりと空いた1週間の中休み。その1週間を過ごすために僕たちTAOが来たのは、誰かが言った冒頭の言葉のままの街、ラスベガス。東京のそれとは比べ物にならない程きらびやかなネオンがひしめき合い、重なり合う。ラスベガスという砂漠の街中に、ニューヨーク、パリ、ルクソール、ベネチアといった大都市のミニチュア版都市が乱立し、通りを行き交う人々は、その幻の様な街の中を童心に帰ったような顔で歩き、その大規模な異次元空間にただただ、圧倒される・・・。どれほど言葉を尽くしてもとても形容しきれない街だ。


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TAOはここで行われるシルク・ド・ソレイユやその他の世界最先端のショーを見に、時間を見つけてはラスベガスを訪れている。かくいうこの僕も、ここに来るのはもう3回目だ。
そして3度目の今回、今までに感じた事のない不思議な魅力を感じた。いや、この街の本当の素晴らしさがようやく分かった、といった方が正解だろうか。


初めてラスベガスに来た時、まだTAOに入団して間もなかったあの時は、時差ぼけで昼も夜もごっちゃになったような感覚のまま、お金もあまりなくボーっとしている間に滞在期間が過ぎて行った。いくつかのショーも会社の計らいで見せていただいたが、実はあまり覚えていない・・・。
その後、ワールドツアーに参加させてもらうようになり、世界各地でツアーの合間に色んなショーや世界の著名な建造物を見たりして、自分の中での審美眼もある程度養われてきた時期に2度目のラスベガス。はっきり言って、見るもの全てに圧倒された。シルク・ド・ソレイユのショーはどれをとっても、人智をはるかに超えた舞台装置や演技の数々を駆使し、観るものを舞台に釘づけにして離さない。街自体も飽きることなく、満足することなく、訪れる人々を魅了すべく大きく、豪華になっていく。
そして、更なる経験を積んで満を持して乗り込んだ3度目の今回。やはり、いい意味で期待を裏切られた。前回来た時には何も無かった場所に一夜城のように突如現れたホテル群。幾何学的かつ前衛的なその建物群は、まるでむかし子供の頃に漫画の中でみた未来都市のようだった。そして、前回とはまったく演出や内容を変え更に進化し、クッション性抜群の座席の背もたれの存在を忘れる程、僕の心を掴みのめり込ませてくれたショーの数々。これほどの感動は今までに味わった事がない!と、見終わって何日も経った今でもそう感じさせてくれるショーはそうはない。


今回の滞在期間中、日本のとあるテレビ局の方が同行取材に来られていた。メンバーに、「ラスベガスは何度目ですか?あなたにとってのラスベガスとは?」といった質問されていた。僕にとってのラスベガスとは、自分が様々な経験をし大きくなっても、それをはるかに超えるスピードで変化・進化し、街の規模はもちろん、僕の中での存在自体がどんどん大きくなっていく場所である。


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そして今回、僕の中での一番の収穫は、「ブラックジャック」というカジノの面白さに初めて気付いた事だ!最終的に負けはしたが、次回は必ず勝って帰るぞ!と心に誓ってラスベガスを後にした。


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2010年3月18日

3年ぶりのラスベガス

河原 シンゴ

「ラスベガスに帰って来た」

3年前から待ち望んでいた瞬間が今ここにある。

世界一のエンターテイメント集団「シルクドソレイユ」がホテルの常設劇場で毎日何千人もの人々に感動を与え続ける町ラスベガス。
同じ(と言っていいものかどうか少し引ける部分はあるが)舞台に立つ者として世界中でここより行きたい町は無いと言っても過言じゃない。空港に着くとラスベガスには珍しく雨が降っていた。初めての事だった。今回は1週間という今までで一番長い研修期間になる。1週間分の荷物をタクシーの荷台に乗せホテルへ向かって走り出した。高速道路にのるやいなや、雨に打たれた窓の外には巨大なホテルの数々が僕らを歓迎してくれているように思える程輝いて見えた。町を窓越しに見るだけでこんなに気持ちが高揚するのはやはり世界中どこを探してもここだけだろう。
 流石に1週間も時間があると、欲が出る。視界を右から左へ流れて行く眩しいばかりの町並みを眺めながら、アレもしたいこれもしたいアレも観たいこれも観たいと考えている内にホテルへ到着した。「ウィン ラスベガス」だ。
前回来た時はホテルの裏側に何やら建設中であった物が完成していた。
それは「アンコール」と呼ばれる全く同じ造りのホテルだった。本館と比べてみると一回り小さい造りになっていたが、「同じ物をもう一つ建てる」という発想が信じられなかった。部屋に入ると窓から今自分が泊まっているはずのホテルが目の前にある。これは初めての経験だった。部屋から見える景色に感動していたが、荷物を置くとすぐさま部屋を飛び出しロビーに降りたのだ。何があるのか?って?そこには見渡す限りのカジノスペースが広がっているのだ。
ラスベガスに来てこれをしなきゃ始まらないでしょう。
早速財布の中に入っていた数枚の紙幣を取り出しテーブルに座り目標金額を決める。
・・・数分で$700の勝ち。初日で勝てるとは思っていなかったから今日はここで充分満足出来た。


明日から毎日シルクドソレイユの舞台が観れる。


最初に観る舞台は「ミスティア」。この作品は20年以上も続いているシルクの中でも最も古い方に位置しているが、今も変わらず客席に腰掛けた者を夢の世界へと引き込んでいる。この作品についてTAOのプロデューサーはこう語る。

「俺がこの舞台を観てなかったらTAOはスタートしてなかった。
これを観たから目指したい方向性がはっきりと見えたんだ」

僕自身も初めてこの作品を観劇した後から舞台に対する考え方が180度変わった。人には考えて出来ない事など無いのだと、そして同じ人間として伝えたい世界に引き込む力があるのだと。数年前から今日までに、「ミスティア」がどう変わっているのか楽しみだ。そう思うとなかなか寝付けない。
「どうせ寝れないのならカジノでもしようかな?いやいや、待て待て、まだ1週間もあるんだ。今日はこの辺で抑えておこう」
「それで良し!」
夜景の光を反射させながらアンコールが僕にそう言ってくれたようだった。

2010年3月17日

最後は人間力

モリフジ マキ

TAOに入団し12年。ラスベガス研修6回目。
これまでここで数々のショーを観て来た。
けれど、こんなに感動的なショーは久々だった。

ラスベガスでのショーの魅力は、その作品の為の専用劇場であるため舞台や設備が繊細に作り込まれている事。その舞台機構を活かし、同じ作品でも年数を重ねる程にどんどん洗練されていく。なので、同じ作品でもその善し悪しはその都度違うのである。


新たなショーを見るのもいいが、大好きなショーが今回はどんな風に変化しているかを観るのも楽しみの一つ。


今回私が選んでいたのは、日本でもお馴染みになったシルクドゥソレイユの作品でラスベガスのみで公演されている「VIVA ELVIS」,「KA」,「BILIVE」,「ZUMANITY」。
そして、元シルクの演出家であったフランコの作品「LE REVE」の5つ。
最終日だけは、一番感動したショーをもう一度見ようとスケジュールを空けておいた。


そして最終日。


今回2度目の「LE REVE」。
3日前にも観たショーなのに、もう一度観たいと強く願った私の思いがそうさせたのか
身体の震えが止まらず、途中は涙が溢れ出し、ショーが終ってスタンディングする時には脚がガクガクと震えていた。完璧な舞台だったと思う。
こんなにも心地よく人を感動させられるって何だろう。


終っても一時間くらいは何もする気にはなれず、ため息しかでなかった。
まさに放心状態。


「こだわり」と「情熱」と「愛情」。


この言葉がぴったりのショーだった。


360度のステージ。360度に広がる客席。舞台の出はけはステージにつながる3方向の道と天井。そして水中での待機。
勿論舞台上で気の抜けるような場所は無く、演技は危険が隣り合わせの内容だらけ。
そのパフォーマンスと音楽との融合に、心情を表す様に次々に変わりゆく照明の移り変わりに、アクトの表情に。その全てに引き寄せられ、異空間へと誘われる。


そして、そんな内容のショーを一日に2回行なう。しかも、2ショーの間隔は約4、50分の客入れ替えの時間のみというスケジュールなのだ。
アクトだけでは無く、このショーを共に支える裏方のスタッフ全員の責任感の強さ、
そして集中力と精神力の高さに脱帽する。

このショーは5年前に初めて観て以来、これで5度目。
回を重ねるごとに素晴らしく成長し続けている。
今までは、他のショーと甲乙付けがたい部分もあった。いいか悪いかは人の好みだと思っていた。でも、今回はっきり解ったことがある。
善し悪しは理屈ではない。好みでもない。
こだわり抜いた末に完成した、正しい努力の結果が目の前に現れるものなのだ。
好みはあれど、良いものは良いのだと。


そして、更に数々のショーを観て共通して思った事が一つ。
素晴らしいショー程人間力の高さを感じる。制作に関わった全スタッフも含めて、妥協の無さを感じるのだ。最終的に一番大切なものは人間力。
結局、そこでしか人の琴線を揺さぶる事はできないのだと思う。


どれだけ上を目指していけばこの場所までたどり着けるのか・・・。
正直今の私には解らない。
でも、どうせ目指すならとことん突き進んで行きたいと思う。
今解っていることはただ一つ。歩みを止めてはいけない。日々前進する事。


今でも、思い出すと涙が出る。
あの音楽と、照明、衣装、パフォーマンス、表情・・そして、その全ての演出(融合)に。
ラスベガスに行く機会があれば是非観てほしい。「LE REVE」。


人生観を変えるショー。


私も、仲間と共にその世界へ一歩でも二歩でも近づきたい。
専用劇場で公演できる日の為に、人間力を高めよう。


アメリカツアー中間休みを利用してラスベガスに連れて来てくれたプロデューサーに感謝。

2010年3月15日

maki morifuji

2010年3月17日

2回目のラスベガス

岩谷あすか


 アメリカツアーも中盤に入ってきた頃、7日間のオフをラスベガスで過ごした。
ラスベガスと言えば本場「シルク ドゥ ソレイユ」。
今回私は2回目のラスベガスということもあり、前に見せて頂いたショー以外を見ようと思い、「O(オー)」と「ズマニティ」と「ビリーブ」そしてもう一度見たいと思った「ルレーブ」のショーを見た。

 「O(オー)」のステージに入ると真っ赤な幕がステージを覆っており、これから始まるショーのすごさを物語っているように感じた。
ショーが始まる間、シルクの定番である演者が客席でお客さんとコミュニケーションをとっており、選ばれたお客さんがステージに上がり、シルクの演者にいろいろされながら客席の雰囲気を和ましている。ステージを覆っている真っ赤な幕に顔だけ客席に見える姿になったら、その人は天上高く舞い上がり、客席のあっと驚いた声と共に、真っ赤な幕は渦を巻くように、ステージの中に引き込まれ、「O(オー)」のステージが顔を出し、ショーが始まる。選ばれたお客さんは、いわゆるさくらで、シルクの演者だったのだが、息を飲むオープニングだった。

私が好きだったシーンは、そのオープニング後の演技だ。天上に吊り下げられたブランコみたいなものに、小柄の女性が二人座っての登場。高度な技を繰り出し演技をするのだが、一つ一つの動きにしても動作にしてもキレイで、指の先足の先までしなやかで遠い席からでも意識がいっているのがわかった。二人の演技が終わり水に飛び込み、拍手の中二人が人間ボートの上に立って水面から浮かびあがり、拍手の中また水に沈んでいくという演出が格好良く、頭の中にまだあのシーンが残っている。キレイなんだけれども、美しさの中の怖さも含まれている感じがしたショーだった。


 「ズマニティ」は一言でいうとショーパブ。
衣装はセクシーで格好よく、女性は上半身裸が基本で、体のラインまで美しく嫌らしさが全くなかった。演技をしている時の生演奏もその演技に合わせていろんな楽器を使いゴージャスにノリのある曲もあれば、もの静かにピアノだけのシックな演奏もあって、演技する人も演奏する人も興奮するかのような一体感を感じた。吐息が出るような、ゾクゾクと興奮させるような表情で私はその人の虜になってしまった。


今の私には持っていないもの。大太鼓まえの箏。弦を弾く指先がしなやかで、弦を弾く前の音を呼吸や息のブレスを感じて音に出す。目が合ったときに人を虜にする表情。箏のシーンをそういう風にしたいと思った。
 

 「ルレーブ」と「ビリーブ」はプロデューサーとTAOメンバーと一緒に見た。プロデューサーの話やメンバーの意見が聞けて、なるほどと思うことが多かった。私はショーをいっぱい見てきた訳でもなく、良し悪しもまだわからない。一人でショーを見るのはまだ早いと思った。一緒に見て意見を交換することが今の私には大切だと思った。
 今、プロデューサーとレッドと一緒にツアーをさせてもらっているので、自分の感性を磨くためにも今が大切な時ではないかと思う。

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2010年3月17日

TAOの原点

水藤 義徳

ここへ来るのはもう7回目であろうか?
自由の女神の視線の先にはピラミッドが堂々と構え、
噴水の見えるエッフェル塔から少し歩くとベネツィアの水夫が唄うカンツォーネが聞こえて来る。
通りの向かい側ではカリブの海賊が熱い戦いを繰り広げ、そのすぐ隣では活火山の大噴火が巻き起る。
夜になるとエンターテイメントショーを楽しみ、豪華な食事の後はカジノでハイテンション・・・。


ここは“眠らない街”いや、“眠れない街”「ラスベガス」。


TAOはアメリカツアーの丁度中頃に予定されていたOFFを、ラスベガスで有意義に過ごしている。
この街には「最新のエンターテイメント」が至る所に散りばめられており、同じ業界の我々にとってはここでの「極上の遊び」が、すなわち研修となっている訳である。


実はこのラスベガスに、「TAOの原点」がある。
この街無くして、我々のステージはあり得なかったと言っても過言ではない。


初めてこの街へ来たのは結成から2年後ぐらいだったと記憶している。
当時のメンバーは舞台に立ってはいたものの、ただの「太鼓打ち」でしかなく、純粋にバチを振り、ひたすら演奏をする事しか知らなかった。
勿論それは大事な事で、否定する訳ではない。しかしあの時、ラスベガスでシルク・ド・ソレイユの「ミスティア」を初め、数々の本物のショーとの出会いが無かったとすれば、我々が「エンターテイナー」の領域へと足を踏み入れる事は永遠に無かったであろう。


ベガスでの初体験を境に、TAOは伝統芸能を基盤とした演奏スタイルを完全に捨て去り、和太鼓を使った新しいステージをクリエイトする様になった。


今振り返ってみるとそれはまさに、運命の方向転換であった。


それから現在に至る迄、チャンスがあれば新しいメンバーと共にこの地を訪れ、同じ感動を共有する事でTAOはステージ創りの足並みを揃えて来た。


その度にこの街は我々の期待を裏切る事無く、斬新な感動を与えてくれた。


一体、人を楽しくさせ、感動させる為にどれだけのトリックが仕掛けられているのだろうか?
大掛かりな舞台仕掛けで圧倒させる派手なやり方もあれば、心にしみ込む一つの楽器のシンプルなメロディーにも涙させられる。 
この街の演出は舞台だけに留まらず、レストランの案内係のフレンドリーな対応に心和む事もあれば、カジノのディーラーの巧みなトークにのせられて結果的に大負けしたにも関わらず「楽しかったから、まあいいか!」と思える事も、たまにはある・・・。
どうやらその手法を数え出したら、ここでは切りがない様に思われる。

現在、ラスベガスのメインストリートでは大規模な建設工事があちこちで行われており、世界不況をよそに更なる発展を続けている。
こうして常に進化を続けているからこそ、この街の感動は薄れる事が無いのだ。


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きっと次回も、我々を驚かせてくれる何かがここに出現している事であろう。
勢いのある町並みを部屋から眺めながら、我々も常にこう有るべきだと改めて感じ、「変わらない為に変わって行く事の偉大さ」を思い知らされた。

今回の研修もまた、実に刺激的な一週間となった。

2010年3月17日

メビウスの輪「∞」

江良拓哉


今日は冷たい小雨が降っている。
いつものようにバスに揺られながら、次の目的地を目指しているのは約一週間ぶりだろうか。
実は先日の中日を利用して、僕らはラスベガスへ出かけた。
毎日ショーを見て、毎日カジノをして…
まさに夢、幻のごとし。
そのときの出来事を少し語ってみようと思う…。


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ラスベガスに到着して三日目。

僕はあの朝、昨日ブラックジャックのディーラーにあっさり取られたドルを取り戻すため、再びカジノへ出かけた。「今日は絶対勝てる!!」ってメンバーみんなに言っておかなければ自分のエモーションが挫けてしまう。その時点で負ける訳にはいかないのだ。

命($)をかけて戦える事で有名なラスベガス。
まさに現代風の戦である。

まぁその日結果的にはお金もテンションも取られてしまうわけだが、「ピンチはチャンス」というポジティブな言い訳を自分に言い聞かせながら、黙って部屋に帰った。(やっぱり背水の陣で行くべきだったかな……)

ちなみに僕らが泊まっていたWYNNというホテルは建物の形がカーブしていて、近未来的なデザインが見る者を圧倒させる。そんなホテルの一室で仮眠をとっていた僕は、起きてすぐにワイングラス片手に泡いっぱいのバスタブへ入り、そこに設置されたテレビと睨めっこしながら……なんてとてもありえない一時を過ごしていた。
田舎育ちの僕には想像出来なかった贅沢すぎる瞬間である。
当初はすきま風と睨めっこしていたというのに…。
気がつけば「LE REVE」まであと一時間を切っていた…


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ラスベガスの魅力はカジノだけではない。世界トップレベルのエンターテイメントショーを見るためにラスベガスを訪れる人の方が多いのではないだろうか。
その中でもシルクドゥソレイユは圧倒的な存在感を醸し出し、ラスベガスにおけるショービジネスの中核を担っているのだと思う。
「KA」「ミスティール」「O」など、ラスベガスでしか見れない貴重なショーは一度是非みてほしい。

これから行く「LE REVE」というのは有名な演出家、フランコ・ドラゴン氏が作ったもの。もともとシルクドゥソレイユの演出家であった彼が当初表現出来なかったというものを、独立して作り上げた素晴らしい舞台作品。
そのショーは、WYNNの中にある専用劇場で行われている。

ショースタート30分前。
扇状に広げられたチケットを手に、くじ引き形式で配っていく愛マネージャー。
「いい席当たりますように!!」って三回ぐらい本人の目の前で言ってたらこっそり「はい」と渡された。おそらく格別な席なのだろう。
最初のゲートを通り抜けた先は階段になっていて、そこを上ると円形上のステージが見えてくる。スパにきたような水気を帯びた空気が漂う。
そう、LE REVEのステージは「水」で出来ているのだ。


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天井から雨が降ってきたり、噴水したり、水だったステージ上がいつの間にかフロアになったり・・・

僕はこれまで、すでに二回見ていたから今回はどんな進化を遂げているのか楽しみでしかたなかった。

いよいよ席に着く。なんと最前列!!
(愛ちゃんありがと!)
と思いつつ気がつけばその列はTAOがずらり並んでいた……
(そういう事ね…)
ついにLE REVEがスタートした。

幻想的なライティングが施され、表現する演者のパフォーマンス、表情に偽りなく、全て完璧にショーは進行していった。
思い返せば初めてこのLE REVEを見たとき、僕はまだTAOのステージに立っていなかった。その時何をどう感じたかなんて、当初は何も分からず、ただ驚きの連続と胸の奥からじーんと来る感情だけがしっかりと記憶として残っている。
そして、僕はこんな彼らと同じエンターテイナーになるんだっていう目標が生まれた、まさに僕の原点。


そして今回のショーの感想も実は同じだったのだ。


メビウスの輪のように一周して戻ってくれば、向きが逆転しているように、僕も今回の経験がまた違った自分に生まれ変わるきっかけとなるはずだ。

「1から学んで10を知り、10から返る元のその1」

という言葉と同じように、また新しい1からのスタートが楽しみでしかたない。


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