大太鼓専用のリフトが壊れてしまった。
この事は前回のブログでも言っていた事なのだが、私たちが使っているリフトは特殊な加工を施した完全オーダーメイド製な為、海外では修理する事も購入する事も難しく、未だに問題は解決されていない。そのため現在は、直径120?、重さ400kgの大太鼓を、なんと手で持ち上げている。
しかしながら、さすがに三尺八寸の大太鼓となると、日頃鍛えているTAOの男性メンバーでも9人では足りない。そこで現地のスタッフにも手伝ってもらっているのだが、壊れているとはいえリフト自体はそこにあるので、その事を知らない彼らは、当然ながら両手を大きく広げ、Why? と突っ込んでくる。
上手く説明出来ないので笑顔で頷き、ごまかそうとしていると、さらにしつこく質問してくる。めんどうなので、これはトレーニングだ!と言うと、何故か盛り上がる。重さは? と聞かれ、500kぐらいだと少し多めに言うと、さらに盛り上がる。さすがアメリカ、ポジティブな人が多い。
作業は息をあわせて慎重に行う。目が飛び出るほど高価な楽器だと、原崎団員に脅されるため、それまで騒いでいた陽気な外人さんたちも、ようやく真剣な表情を見せる。
せーの、よいしょ!

時間にしたらほんの一瞬で、あっという間の出来事なのだが、ものすごい緊張感ということに加え、瞬間的に120パーセントの力をだすため、スローモーションのように感じる。
無事、台に乗せられた大太鼓に目が釘付けになり、ビューティフルと無意識で呟きながら、そっと太鼓を撫ででている彼らを見ると、自分の鼻が少し高くなっている事に気づく。一つの重労働をみんなで達成したという感動が、人種や言葉の壁を一気に吹っ飛ばしてくれ、毎回出会って30分程度の時間で、親しい友人のような関係にさせてくれる。結婚式で行うケーキ入刀の儀式も、もっと達成感を得られるように、カチカチの固いケーキを切った方がより愛が深まるかもしれないと思った。
彼らとコミュニケーションがとれたおかげで、その後の作業もスムーズに進み、その結果、全体の仕込み時間の短縮にもつながる。
まさに怪我の功名。災い転じて福となす。リフト様、ありがとう!
今日も大太鼓と壊れたリフト(帰国したら直す予定)のおかげで、素敵な友情が生まれ、いい公演になるであろう。アメリカ出発前に想像していた金髪美女との素敵な出会いは、ガタイのいいお兄さんたちとのあつい友情に変わってしまった。






































