2010年10月25日

SMILE!!

10月23日 原崎 太郎


皆さん、「熊野古道」ってご存知ですか?日本が誇る世界遺産の一つで、とても雑な言い方をすれば、尊い神社へお参りに行くための石畳の山道です。鎌倉時代や江戸時代に作られ今もそのまま残る石畳や、それを取り囲む山々・森林の持つ神聖さと荘厳さを自分の肌で感じ体験すれば、無神論者でも山の神の存在を信じたくなるだろうな、と思うほど気高く張り詰めた空気が漂う場所です。そんな世界遺産を持つ町、三重県熊野市。その隣町の御浜町で公演を行ってきました!


初公演地にも関わらずなぜかここ御浜町ではTAOが有名らしく、途中昼食を食べようと立ち寄った「道の駅」で「あのTAOさんですか?!」と声をかけられました。
「ファンの方が沢山いて、皆様凄く楽しみにしていますから!」と公演会場の御浜町中央公民館の方に言われ、むかえた本番・・・確かにとても初公演とは思えないほどの拍手と声援が飛び交い、終始大盛り上がり!一部の終わりにFESTAという曲で客席に乱入した時、一番盛り上がっているのが白髪混じりの年配のお客さんたちだったのにはびっくりでした!盛り上がっているというか、満面の笑みを顔いっぱいに広げてとにかく楽しそうなんです!一にも二にも、みなさんの笑顔がとても印象的だった御浜公演でした。


そして、今から遡ること1か月前の9月22日。岡山県は勝山でこれも初公演を行い、そこには僕の高校時代の友達が奥さんやそのお父さん、お母さんも連れて観に来てくれた。そのお父さんが、「こんなに手を叩いたのは生まれて初めて!手が痛いよ(笑)!」なんて嬉しい感想を友達に話したくれたらしい。もうきっと、御年60歳は過ぎているだろうそのお父さんが、60年以上生きてきてこれほど手を叩いて興奮した事はない、って言ってくれてるんだから、そりゃもうすごかったんだと思います(笑)

御浜町での公演を終え、沢山の笑顔を思い返し、同時に友達のお父さんの言葉が頭の中でオーバーラップしながらホテルの部屋でふと思ったのは、単純に僕も一度今のTAOのショーを見てみたい!なんせ、いつも舞台上にいるからTAOの舞台を客席で観ることはないんですよね(当たり前ですが・・・笑)。よく他のメンバーとも、冗談交じりに話すんです。もし、僕が客席にいたら、周りの熱気に負けじと大興奮でスタンディングしているんだろうなぁ・・・・なんて取り留めもないことを考えていたら、いつの間にか深い眠りに落ちていました(笑)。


10月末の赤兜ライブでいったん久住に戻り、そして11月はまた日本全国を飛び回りに行きます!みなさん、もし僕と目が合った時にはとびっきりの笑顔でよろしくお願いしますね!!待ってまーす!


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2010年10月22日

新たな舞台の可能性を求めて

西 亜里沙


早朝4時、昨夜の新潟公演の興奮覚め遣らぬままで、いそいそと車に乗り込み東京へ移動。
今回の東京公演は、開場が16時といつもより早い為、遅れる訳にはいかない!!渋滞を心配しながら、必死に車をはしらせるが、幸いにも大きな交通渋滞も無く、8時半には無事会場へ到着する事ができた。


さあ仕込み開始だ。
今日の舞台は、東京ドームシティにあるJCBホール。地下駐車場へ潜って行くと、巨大なエレベーターが待ち構えていた。なんと4tトラックがそのままエレベーターに乗り込み、地下3階の舞台へと降りていくのだ。
東京では有り得ない搬入条件だ。
この素晴らしい好条件のお陰でスピーディに舞台は組まれていった。


JCBホールは、国内外問わず沢山のメジャーアーティストたちがコンサートやミュージカルを行っている。もちろん和太鼓界ではTAOが初となるそうだが、今回の私たちの公演は、「JCBプレゼンツ・・・」と冠が付けられている。客席は180度に広がり4階席まである。最後尾の席でもすぐそばに感じることができ、とてもお洒落な劇場だ。思わずシルク・ドュ・ソレイユの専用劇場「KA」を思い出した。
私は舞台中央に立って2300席の客席を見渡してみた。すると体の奥の奥からバイブレーションしながら身体全体に電気が走った。心地よい緊張感と漲るパワーを感じながら今日の公演のフィナーレが目に映った。満員のお客さんとTAOが一つになり、大興奮の中に全ての人の目に煌めく宝石のような涙が見えた。
「今日の公演はきっと大成功する!」そんな確信に近いものを感じた。


さて結果は、私の想像と同じだったか?
終演後プロデューサーが珍しく、本当に珍しく・・・
「みんなお疲れ様!素晴らしかったよ!!」と、声をかけてくれた。
1年に1度か2度ぐらいしか褒められたことのない私は、思わず涙腺が緩んでしまった。
「この舞台は日本人が創っているとは思えない。」
「時間がこのまま止まって欲しい。もう少しだけここに居させて?」
「この感動を言葉にしたくない。」
「涙が止まらない。どうしたらいいの?」
「自分を変えられそうな気がする。TAOから貰った特別な元気のおかげで?」
こんな感想の声が多く寄せられた。

そう言えば、私もこんな感想をもったことがある。
それは、プロデューサーがこの世界で最も尊敬し、憧れでもあり、目標でもある!と、いつも話されているフランコ・ドラゴンのラスベガス・ショー「ル・レーヴ」を見た後だ。
あの時は、もう動くことさえもできないほど感動して、溢れだす涙を止めることができなかった。そして、このまま時間が止まって欲しい!と本当に思った。
そんな私にプロデューサーは、
「俺たちもこのル・レーヴのような舞台を必ず創ろう!創りたいと強く強く願えば必ずできるはずだ!」
私たちの舞台は、まだまだ目標には程遠いが、それに近づきたい!といつも願っている。だから、今回の東京公演では、普段と違う感想が多く寄せられたのかもしれない。
と、いうことは、ほんのちょっとだけ、近づいたのかな???

さて次はどんな舞台になるのか!?
次回の東京公演はクリスマス・イブ!今年の冬は私達とVERY HOT なクリスマスを過ごしましょう!!

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2010年10月21日

情熱の赤いラーメン。(チーズ入り)

水藤 義徳


円陣を組み、私の両手に全員が右手を合わせる。
気合いを込めて、『ドッセイヤッ!!』と私が叫ぶ。
そして、その声を受けて、全員が更に強く、大きく、『ドン、ドンッ!!!』と叫び、手を高らかに上げる。

これはTAOが本番5分前に必ず行う儀式だ。
開演直前、ステージへ向けて皆の意識を統一し、気合いと共に「演者」のスイッチを「ON」にする魔法の儀式である。

今日は、この「掛け声」をステージ以外の場所で初めて行った。


その場所とは、【 一風堂×TAO、東京・銀座店 】。
「一風堂」と言えば、博多発祥のラーメン屋さん。日本全国は勿論、ニューヨークを
はじめとした世界進出も積極的に行っており、その新しいプロジェクトとして今年から展開を始めたのがこの【一風堂×TAO】である。
博多店、シンガポール店に続き、三店舗目は東京の銀座に登場したばかりだ。

JCBホールでの公演を終え、東京に来ている訳だからオープンした銀座店に行こう!という話になり、何も考えずに我々はお店に向かった。辿り着いたのはちょうど開店の30分前。店員の皆さんが最終準備を行っているタイミングで突然、「こんにちはー!」と突っ込んで行ったTAOは間違いなく、相当な邪魔者だった筈…。
それにも関わらず、笑顔で対応してくれた山村店長に感謝。
(本当にすみませんでした。)


TAOの映像が流れる大きなモニターをはじめ、お店の雰囲気はまさにTAO一色。
イメージカラーの黒と赤を全面に押し出したモダンな「和」の空間に見とれていると、山村店長から「今日の朝礼に一緒に参加して頂けませんか?」とお誘いを受ける。
店員の皆さんが集合し、自分達も店長の誘導で輪の中に参加させて頂く。
「朝礼」が始まった瞬間、店員さんたちの緊張感は一気に最高レべルに達していた。
山村店長の「ありがとうございます。」という挨拶からはじまり、店員の皆さんが「一風堂の心得十か条」を声高らかに語り出したのだ。
この十か条を聞いて行くうちに、一風堂の底力のような、何かとてつもなく、大きくて大切な根っこの部分を見せて頂いた感覚になった。
続いて店員の皆さんが、今日の営業に向けての意気込みを順番にスピーチして行く…。
「一杯のラーメンにここまで情熱を持っているのか!」
一人一人の言葉に、自分は完全に心を打たれていた。
一風堂のラーメンも、TAOの太鼓も、来てくれたお客さんを喜ばせたいと言う点では全く同じ考えが根底に存在している。表現する手段が違うだけで、一風堂の皆さんもまた、プロ根性の固まりであり、一人のエンターテイナーなのだ。同じ仲間なのだ。

ふと時計を観ると開演間際、いや、開店間近!になっていた。
私の頭の中には、アレをやる事以外考えられなかった。
半ば強引に店員さん達と円陣を組み、息を合わせる。


水藤:気合いの声で‥‥
     『ドッセイヤッ!!』
一風堂銀座店:ためらいつつもこれを受けて更に大きく、
     『ドン、ドンッ!!!』  
        「ハイ皆さん、今日も頑張りましょう!!」(拍手)


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このあと、一般のお客さんよりもフライング気味で入店していた為、一番乗りでラーメンの注文をさせていただいた。
個人的には「TAO黒」が好きだったが、今回はあえて「TAO赤」の8辛にチーズをトッピングして頂いてみた。
すると、先程の店員さんの情熱とスープの赤が重なって美味さが倍増していた。
まるで、感動的な音楽に出会ったような何とも言えない至福の一杯が心地よかった。

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TAOのイメージをそのまま「一杯のラーメン」に凝縮・昇華させた見事な味わいの【TAO×一風堂】のエンターテイメント作品。美味しいラーメンにプラスして、人間の情熱というか、真面目な真心が宿っています!
プロデューサーは、いつもこのラーメンを食べてこう言います。
「このラーメンのおかげで俺は道を間違わないでいられる???」
どんな意味か分かるような?分からないような?・・・

皆さんも是非、この一風堂、渾身の一杯をご賞味ください!
銀座店の皆さん、ありがとうございました。また行きます!


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2010年10月21日

月夜のライブ

2010年 TAO野外ライブ in 八女公演

江良 拓哉


虫達が秋の季節に似合った声で優しく鳴り響く。見上げれば雲ひとつない満天の星空。目の前には月に照らされた大きな舞台。
「浮世夢幻打楽 弐の絵巻」が初めて、八女の野外ステージに登場した。
僕たちは完成した舞台を満足げに眺めていた。


実はこの日、仙台から車で24時間かけて移動して来たばかりなのだ。
仙台を朝10時に出発し、八女の会場に到着したのが翌日の午前10時頃・・・。
到着してすぐに温泉に浸かり、15時まで休憩させてもらった。
TAOのテクニカルスタッフはというと、仙台公演が終わった直後、そのまま福岡までトラックを走らせ、機材の積み替えをして八女へと移動してきたのだ。
15時に全員集合し、早速舞台の仕込みを始めた。
舞台監督とプロデューサーが何やら話し合っている。
今回の舞台をどこまで組み上げるか?…通常は劇場の中に組まれる舞台装置の為、野外という事で当然何らかのリスクを負うはずだった。
しかし、今回の会場「グリーンピア八女」には屋根が付いていて、天気も良かったので、風や雨の心配が無く、野外でも劇場と変わらない「弐の絵巻舞台」が可能となったのだ。

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この日の全ての作業を終えると、八女公演の実行委員さんが手料理で僕らを暖かく迎えてくれた。
おにぎりやだんご汁、漬物や里芋の煮つけ、からあげや天ぷら等々、懐かしいおふくろ?の味付けが、また体の疲れを癒してくれた。

まさに「燃料米味噌汁」。

実行員の皆さんありがとうございました。


次の日。
朝食をとり、急いで会場へと向かう…
やはり緑の中に組まれた舞台はかっこ良かった。
ただ、野外という事もあって太鼓のメンテナンスには、いつもより時間を掛けた。
野外での太鼓の響きは屋内とは全く違うもの。一通りのメンテナンス、サウンドチェックも終わり、リハーサルが始まったが、舞台道具が一部破損するアクシデントや、転換がうまくいかない等のトラブルが続いた。
出演を削られた新人メンバーも悔し涙を浮かべながら必死に走り回っている。
僕はというと、今日初披露しようとツアーの合間を縫って練習してきた、新しい振り付けにディレクターから厳しい「NO!!」が出てしまった。

「質の悪い演技は出さない!」
「おまえの感性はそんなものか!?」
とても悔しかったが、それは最高の舞台を制作する上で下された評価であり、舞台のレベルを上げるために乗り越えるべき壁である。「必ずリベンジしてやる!!」自分の力不足を認識させられ、舞台に対する厳しい考え方を更に学んだ。緊迫した雰囲気の中、本番まで刻一刻と時間が過ぎる…


会場の横を大勢のお客さんが続々と入場する。座布団片手に入場する地元の老夫婦。車椅子のお客さんも多く見かけた。子供達はフェンス越しにこちらを覗いている。
いつの間にかすっかり暗くなり、星もチラホラ見え始めた。僕は舞台裏に設置された楽屋から少し離れた場所で演技用の棒を持って何気なく回していた。(こうしていると何か落ち着く… 笑)

会場のBGMには自然の虫の声がコラボする。
会場を照らす月の光とテクニカルスタッフの放つ照明がマッチして神秘的な雰囲気を醸し出す…。

そしてこの舞台に懸ける沢山の想いが一つになる!
いよいよ本番!!浮世夢幻打楽 弐の絵巻、初の野外ライブのスタートだ!!
一夜限りの夢、幻の宴。
2000人の観客で超満員となった会場からわき起こる歓声のうねりは夜空いっぱいに広がった。
この瞬間のためならなんでも乗り越えていける!そんな事を思った。

ライブ終了後、実行員さん達と記念写真を撮った。皆さんの喜ぶ笑顔がジーンと心に染みてきた。僕たちはこうした人たちに支えられているのだと改めて感じた。初の「浮世夢幻打楽 弐の絵巻?初野外公演?」は大成功に終わった。


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昨日の賑わいがまるで嘘のように静まり返った翌朝。
ここからまた新しい一歩が始まる。
車に乗り込み、いざ新潟へと出発。
さて、次はどんなドラマが待ち受けているのか楽しみだ。

2010年10月21日

熱いぜ!みちのく!

滝 良平


「滝さん、ホッントにありがとうございました!本当に最高でした!また来年も楽しみに待っています。」
仙台公演を終え会館を出ようとした時、キョードー東北の石垣さんはわざわざ僕の所まで来てくれ、熱いまなざしでこう言ってくれた。

石垣さんの言葉のように、TAO初となる東北ツアーは、全て熱狂的な歓声とオールスタンディングで幕を閉じたのだ。岩手県北上市・山形県寒河江市・宮城県仙台市、まるで「ここはアメリカか?」と錯覚しそうな歓喜の渦に包まれた。それはお客さんがTAOの舞台を心から楽しんでいただいた証だと思う。
ただ正直に言えば、初の東北ツアーは楽しみでもあり不安でもあった。
伝統芸能の宝庫というか、深く深く生活に芸能が浸透している東北地方。
津軽三味線をソロで弾く水藤さんに至っては、本番前にはかなり緊張した様子で、いつにも増して入念な音チェックと稽古を行っていた。


しかし、いざ開演のふたを開けてみると、そんな不安はオープニングの「砂の城」を演奏した後には、どこかに吹き飛んでしまっていた。
会場のあちらこちらから聞こえる「TAO?!最高!待っていたよー!」との温かい声・声・声。
まだ公演が始まったばかりだと言うのに、熱気ムンムンの会場。
地元九州でもなかなかないこの雰囲気に後押しされ、僕らの演奏は本当にノリにのった。
しかもどの会場も超満員なものだから、演奏している僕らはお客さんからの圧力が気持ちよくて仕方がない。
特に北上市のサクラホールは、舞台機構・音の反響・客席の配置や仕様などが本当に素晴らしいホールで、そこを管理する劇場の方々の気遣いやテキパキとした行動が、なんか他とは違う何かを感じさせた。
集まってくれた超満員のお客さんは、普段はクラッシックを楽しむ方が多いと聞いた。
アンケートも民意を反映させる凝った質問が多い。
ここは芸術を楽しむための組織運営がしっかりしていて、ホールが人々の交流の核となって、豊かな感性を育んでいる。全くヨーロッパの劇場と同じような運営をされているのに驚いた。
このような劇場は、日本では本当に少ない。


続く、寒河江市も立ち見席がでていたし、実行委員会さん達の熱い声援と感動の涙は、絶対に忘れられない輝きを放っていた。皆さんのおかげで僕たちは更なる夢を追いかけて前へ進むことができるんです。
こちらこそ、有難うございました。
仙台2年連続での公演は、昼がクロレラさんの貸切公演で、夜が一般公演。
超超満員の貸切公演の主催者、クロレラ東北支店の皆さんは、何から何まで半端ではありません。
TAOと同じ思いと情熱をもった人たちばかりで、「皆さんに心と体の健康を提供したい!元気にしたい!社会に役に立ちたい!」そんな思いが全身から溢れでています。
そんな人たちの主催公演は、盛り上がるのは当たり前ですよね!
2日間あった交流会(他では一切ありません。)も深夜遅くまで続きました。
不覚にも私はダウンして、2日目の交流会は不参加でしたが・・・
来年も仙台・寒河江の再演は、すでに決まっているそうです。
本当にありがたい事だし、なによりTAOに地元で最高の公演をさせようと必死で頑張ってくれた北上のサクラホールのスタッフの皆さん、寒河江の実行委員の皆さん、キョードー東北の石垣さん、小峰さん、クロレラ東北支店の皆さんに、この場を借りて、もう一度お礼を言わせて頂きたいと思います。

「皆さん!本当にありがとうございました。本当にいい公演をさせて頂き、心から感謝しています。また一緒においしいお酒を飲みましょうね!」


冬は雪に覆われる極寒の東北の地。
しかしそこに住む人たちの心は間違いなく温かくて、人間味に溢れていました。
また絶対帰ってきたい・・・。そして今度もさらに驚きと感動に満ちた舞台をもって?!!

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2010年10月21日

あり得ない光景

岸野央明


数多くの郷土芸能が現存し、和太鼓演奏も非常に盛んで、右を見ても左を見ても目の肥えた人たちだらけ。北陸地方の、特にこの新潟という土地は、太鼓関係者にとっては少々敷居の高いところだと思う。

私たちのステージは、和太鼓だからという先入観をなるべく持たないように制作しているので、演奏スタイルや技法、楽曲が、どれをとっても奇抜で斬新。そのため和太鼓というジャンルからはとても想像出来ないほど、ユニークでアーティスティックなものが多い。なかには古典的なものも取り入れてはいるが、全く新しいアレンジを施しているので、それが本場の人の目にはどう映り、どう伝わるのか?またどう評価されるのかという怖さと期待があった。


私が初めてTAOを見た時、「和太鼓ってこんなに自由で、こんなに楽しいものなんだ!こんなにかっこいいものなんだ!」と教えてもらった。そのときにもらったあの強烈なメッセージを、どうにかしてここ新潟の人たちにも伝えたい。不安もいっぱいだが、それと同じくらいの自信もある。大丈夫、この作品だったら必ず伝えられる。とは言ってみても、普段より2割増くらいの緊張感が全身を包み込み、体が固くなっているのが解った。少し息が苦しい状態のまま開演したが、だんだんとお客さんのノリを掴み、それと同時に力んだ体もほぐれていった。拍手の音量も増えてきて、お客さんが興奮している状態が客席からガンガン伝わってきた。この時点で心の中では大きくガッツポーズ。
しかし、お客さんの勢いは止まる気配がない。ドンドンドンドンふくれあがっていき、ドンドンドンドン盛り上がっていった。そしてついにラストの曲が終わったときには、会場全体がもう我慢出来ないといった感じで、全員総立ちとなり、まさかのオールスタンディングオベーション!新潟で???それも初公演のこの場所で、今まで味わったことのないほどの一体感を得られた。
 表現者として感動を作り伝えるのが使命なのだが、今回は逆に感動させられてしまうという始末。和太鼓という先入観を持ち、表現の幅を狭めていたのは、実は自分自身だったのかも?と気づかされた。古きものを愛し、その一方で新しいものも柔軟に受け入れる、新潟の人たちの懐の深さには、まさに尊敬と感謝の意を抱いた。皆さんから頂いた声援と期待を裏切らないように、更なる日々の努力を重ね、来年またここに帰ってきたいと強く思った。


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