「感動を提供する者は、常に感動を受ける環境に身を置かないといけない。」
これは、私のTAO設立当初からの考えで、毎年行われる「ラスベガス研修」は、メンバーだけでなく、スタッフも参加する豪華な恒例行事となっている。もちろん、私にとっても、この仕事を始めた原点に回帰するという大きな意味もあって、すでにラスベガスは、TAOのマザーシティになっていると言っても過言ではない。

ただ、「ラスベガス」という言葉から連想されるイメージが、「カジノ」と直結しているので、日本ではあまり評価されていない気がするが、それは、大きな間違いである。
ここは、世界最高のショーが次々と誕生している世界唯一のエンターテイメントの聖地なのである。
日本で毎年行われているシルク・ドュ・ソレイユのショーは、確かに素晴らしいと思うが、ラスベガスのシルクは、全くの別物なのである。
他にブロードウェイ・ミュージカルやイリュージョン・世界のTOPシンガーが繰り広げる豪華絢爛なショー、そして、我々と同じ、世界ツアーで成功を収めたエンターテイメントショーが毎日のように上演されている。
またラスベガスは、ショーだけでなく、最先端のデザインを施したHOTELや商業施設が連なっていて、街を歩くだけで、舞台のヒントは山のように転がっている。
そういう意味もあって、TAOのラスベガス研修は、絶対に欠かすことのできない最も重要な研修となっている。
私は、昨年10月、YELLOWメンバーとデザイン部で来たばかりだったが、RED北米ツアー中の1週間の休みを利用した今回のラスベガス研修に、MGと日本から参加した。
そして、夏前に放送されるであろう「TAOの特番」の取材陣までもが同行するといった総勢23名の団体さんツアーになったのである。

泊るHOTELは、5年前のオープンから必ずココと決めている「ウィン・ラスベガス」

このHOTELは、ラスベガスのHOTEL王「スティーブ・ウィン」が自分の名前を入れた世界最高峰のHOTELなのである。
そして、ここに私がこの世で一番尊敬する演出家「フランコ・ドラゴン」が作った「ル・レーヴ」というショーが行われている。フランコは、シルクに在籍した期間にシルクの代表作を次々と制作し、水をテーマにした「O」という作品を最後にシルクを去った。
彼は、喜怒哀楽の激しい、大変なロマンチストで、もともとはミュージシャンであった。
彼について語り出すと止まらないので、ここでは止めておくが、実は、彼がラスベガスで初めて作った「ミスティア」という舞台作品が、TAOの始まりに大きな影響を与えた。
もちろん、その「ミスティア」は今でも上演されていて、私は、今回で20回目の観劇となったが、全く色あせるどころか、更に磨きがかかっていて、終演後は、涙が溢れて止まらず、すぐには退出できないほど感動させられているのである。
TAOのメンバーやスタッフは、業務命令として、必ず、この「ミスティア」と「KA」そして、「ル・レーヴ」を見なければいけないことになっている。
「ル・レーヴ」
このショーは、間違いなく世界NO.1のショーである。
洗練された芸術性の高さ、
アーティストを極限まで美しく見せる繊細さ、
世界のあらゆる音楽要素を取り入れた音楽は全てライブ演奏で、一度聴けば頭から離れられないインパクトの強さがあり、
そして、ロマンティックなストーリーは、誰でも理解できる優しさをも持っている。
ショービジネスの世界で「完璧」という言葉を使えるのは、このショー以外にはないと私は思う。
同行した私と同じ年の取材プロデューサーは、「ル・レーヴ」を観終わった後、私にこう言った。
「人生観が変わりました!本当に有難うございました!」と・・・
本当は、もっと語りたかったのであろうし、語れる人なので、感動を詩人のように言えたと思うが、本当にこのショーは、言葉無くすほど感動してしまうのである。
彼の目から涙が溢れていた。私も溢れる涙を止めることができなかった。
私もフランコによって人生が変わった。
そして今日もまた一人、人生が変わってしまう程の影響を受けてしまった人がいる。
我々エンターテイメントの世界が社会に与える影響は、経済や政治のように、はっきりとしたものにはならないが、人々の心を大きく動かす魔力を持っていることは確かである。
どうか、皆さんも生きている間に、このショーだけは観なくては損だと思う。損と言うより観た方が絶対に幸福になれる。どんなに無理をしてでも、このショーだけは必ず観るべきである。
もちろん、TAOのショーもですけど・・・・

2010年3月15日
DORAO FRANCO

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